HomemadeCAVE

90年代、東京大学や岐阜県にCAVEというVRシステムがありました。これは、3Dプロジェクタやヘッドトラッカーを使い、部屋ごとVR空間にするという野心的なプロジェクトで、その野心と比例して、かなり高額な機材・設備を使って実現されていました。それから四半世紀が経ち、例えばチームラボの展示やLEDパネルで埋め尽くされた部屋などでCAVEシステムは今も生きています。そして、それをさらにお手軽に、メルカリやヤフオクを駆使して90年代の1/1000程度の予算規模で、個人でやってみる、というのがHomemadeCAVEの立ち位置です。

2022年7月にGinzaSIXで展示した際には、複数の友人のクリエイターに協力してもらい、3Dグラスを使った体験会として実施しました。

VR SNSやアバターを多くの人が使うようになり、3Dコンテンツを多くの人が利用するようになった今こそ、VRゴーグルを使わないVRには可能性があるように思っております。

八谷和彦
メディアアーティスト 1966年生まれ。東京都在住。
九州芸術工科大学(現九州大学芸術工学部)画像設計学科卒業、コンサルティング会社勤務の後(株)PetWORKsを設立。現在は東京藝大 先端芸術表現科 教授。
作品に《視聴覚交換マシン》や《ポストペット》などのコミュニケーションツールや、ジェットエンジン付きスケートボード《エアボード》やメーヴェの実機を作ってみるプロジェクト《オープンスカイ》などがあり、作品は機能をもった装置であることが多い。