
概要
申請者は江戸菊から着想したアニマピアンタという作品の制作を続けている。江戸菊とはその名の通り江戸時代に栄えた菊の種類であり、江戸時代の人々は花が咲いてから様々な形に変化する様を粋として楽しんだ。静かな花に「動き」という、世界に例を見ない品種改良の方向性を求めた江戸の遊び心に感化されて制作したアニマピアンタも動くオブジェクトである。単純な回転運動が花が咲くように見えるとき、そこには生命が宿っているようにも見える。このアニマピアンタシリーズの中でもapE シリーズは動力の伝達に既存の歯車を使用しているが、3D プリンター製樹脂金型による高精度のオリジナル歯車、例えば欠歯歯車や弦巻たが歯車などを制作できれば、より種類に富んだ動きを生み出せるのではないかと考えている。

- 土田恭平
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芸術情報センター 教育研究助手
2022年東京藝術大学美術研究科デザイン専攻修了。