物の再発見 ーデジタルと廃物

概要

本企画は、データを具現化することに専念してきたデジタル造形領域における「物の実体性」の希薄化に焦点を当て、「物の実体性」の観点から、デジタル造形の方法論を再構築する。社会的な取捨選択の中で価値を見出されず不都合な存在の集積物となった「廃物(未利用素材を含む)」を、デジタル造形において希薄化した「物の実体性」の象徴と位置付け、質的サンプリング、3Dスキャン、シミュレーションを用いて作品の造形素材として確立するフローを「物の再発見」として実践的に明らかにしていく。デジタル造形環境における「物の再発見」を通じた新たな創造性を検証することを目的とする。


𥸮原寿行
ART共創拠点 特任講師
1986年、愛知県生まれ。2011年 東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻(油画第五研究室) 修了。東京藝術大学 ART共創拠点 特任講師。事実性や現実感、知覚、心理、情動への影響を及ぼさざるを得ない体験を成立させているものを注視しながら、絵画/写真/映像/CGI/生体現象/エンジニアリング/メディア技術/などを用いて、芸術実践の根源的な可能性と問いについて研究と作品制作を続ける。第16回 岡本太郎現代芸術賞 特別賞受賞。主な展示会に、第16回 岡本太郎現代芸術賞展(岡本太郎美術館)、岐阜 おおがきビエンナーレ2013、 ヨコハマトリエンナーレ連携企画 “東アジアの夢”(BankART NYK Studio)、”幻燈展 –プロジェクションメディアの考古学”(早稲田大学演劇博物館)、「経験の透明性」はならぁと2023桜井エリア(戒重・本町通)、“シ-デン”2023(旧第一銀行横浜支店)、などがある。