コードとデザイン

芸術情報センター開設授業「コードとデザイン」(2023年度より松浦知也が担当)は、電子工作とプログラミングを学ぶ授業です。

副題として「パーソナル・パーソナルコンピューターの作り方」を掲げるこの授業では、広義の”コンピューター”を、ブラックボックスとしてではなく、自らの制作のための道具として使えるようになる知識の習得を目指します。

前半では、コンピューターなしでのアルゴリズミック・ドローイングや、カードゲームを通じた二進数の計算、トランジスタなど基礎的パーツから計算の回路を手作りする、など、コンピューターの動く仕組み自体を実践的に学びます。

アルゴリズミックに描かれた「コードとデザイン」というドローイングの写真。
授業初回での「Conditional Design」(単純なルールに従って複数人で描くドローイング)WSでの、「コードとデザイン」という文字を協力して描いたもの。
「Handmade Computer」WSでの、一人一つのNAND回路を組み合わせて作った全加算機(1桁の二進数足し算)回路。
浦川通の「Binary Cardgame」(トランプと同じ枚数だが白と黒(0と1)しかないカード)を使って、新しいゲームのルールを作るWSの成果。(制作したルールはこちら)で公開中。

後半では、アーティストやデザイナー向けのマイクロコントローラ環境であるArduinoの使い方を中心に、コンピューターの入出力インターフェースをさまざまな形で作り直すことで、自分のための制作の「絵筆」や「楽器」に相当するものを自分の手で作れるようになることを目指します。授業の最後には、各々作品を展示します。

松浦知也
SoundMaker 音に関わるメディア・インフラストラクチャ技術を実践を交え批評的にデザインする活動を「音楽土木工学」と称して研究。ハウリングだけで音を出す自作電子楽器「Exidiophone」などを用いての演奏活動、音楽プログラミング言語「mimium」の設計と開発のほか、近年はDIY半導体の制作に取り組む。分担執筆に「クリティカル・ワード ポピュラー音楽」(2022年、フィルムアート社)。1994年生まれ。2022年九州大学 大学院芸術工学府 博士後期課程修了。同年より東京藝術大学 芸術情報センター 特任助教。 https://matsuuratomoya.com/