芸術情報センター開設授業「メディアアート・プログラミング2」(2023年度より松浦知也が担当)は、電子工作とプログラミングを学ぶ授業です。
本授業ではメディアアートと呼ばれることのある表現の中でも、映像や音楽をコンピューターで作るものではなく、プログラミングやコンピューターを使うことそれ自体が表現の問いやテーマであるもの-具体的には、グリッチ、バイナリデータとしてのテキスト操作、Webスクレイピングなどの技術を中心に以下のテーマを扱います。
- 詩とコンピューティング
- 再帰とプログラミング言語
- インターネットと公共財
コンピューターは必ずしも便利な道具として活用するためだけのものではありません。あえて間違えた/不条理な/無駄な使い方をすることで、技術がどう社会の中で扱われているかを知るヒントになります。
プログラミングを中心とした実践を通して、コンピューターという情報機器の仕組みについてより高度に理解し、自らの制作の手段として導入できるようになること、コンピューターを中心に成立する今日の情報社会の姿を批評的に捉える視点を獲得することを目標としています。
- 松浦知也
- SoundMaker 音に関わるメディア・インフラストラクチャ技術を実践を交え批評的にデザインする活動を「音楽土木工学」と称して研究。ハウリングだけで音を出す自作電子楽器「Exidiophone」などを用いての演奏活動、音楽プログラミング言語「mimium」の設計と開発のほか、近年はDIY半導体の制作に取り組む。分担執筆に「クリティカル・ワード ポピュラー音楽」(2022年、フィルムアート社)。1994年生まれ。2022年九州大学 大学院芸術工学府 博士後期課程修了。同年より東京藝術大学 芸術情報センター 特任助教。 https://matsuuratomoya.com/